人を助けるということ ー苦しい時を乗り越えるために
スティーブン・ポスト
この本を読んだ。
人を助けるってどういうことだろう、とこの本のタイトルを見た時にふと思い、手に取った。
困っている人を助けたいみたいな気持ちがどこかにある気がする。
この思いの根本には何があるのだろう。
人を助けることは自分を犠牲にして人のために尽くすというイメージがあったが、これを改める機会となった。
人を助けるということは、自分をも助けるのかもしれない。
人を助けると言うとAさんからBさんへ一方通行のように聞こえるけれど、実は両者は相互作用している。
自己と他者を全く異なる存在だと切り離して考えなければ、私もあなたであり、あなたも私なのだ。
よく相手は自分の鏡だと言ったりするけれど、これにも当てはまる。
優しくしてほしかったらまずが自分が優しくする。
他者へ尽くしすぎて自分を犠牲にするのは本末転倒だけれども、他の人へ何かしてあげたり差し出すことは、自分からその分何かが減ることではない。出し惜しみせず与える精神が必要かもしれない。
我々が証明している主なことのひとつは、他者への愛と自己への愛は、自己犠牲があまりにも大きすぎて自分を大事にできなくなるほどでない限り、根本的に相反するものではないということだ。