読んだ本
『自己啓発の罠』
AIに心を支配されないためにマーク・クーケルバーグ
だから資本主義経済の枠組みで考えると自己啓発を助長する側とも言えるし
搾取されている労働者でありウェルネス消費の消費者でもあると言えるのかなと思った
一個外側からこの自己啓発経済圏を眺めることができた
自分が自己啓発本を読んだり、心身の健康について考えたり実践するのが好きだからこそ
その経済圏の住人であることに気づけたことが大きな収穫であった
あとルソーのエミールが頻繁に出てきて
哲学者たちの名前も聞いたことある人が少し増えた
読書体験がつながる喜びである
心理学者フロイトもよく出てきた
「自分」とは物語であるという文章が良かった
社会との繋がりの中で自分があるんだよと提示していた
ゼロからデザインし立ち上げて作られた個体ではない
他者との関係性の中で発生しているものが自分
他者との相互作用や関係性の中で自分がつくられるというのなら
一人であれこれ考えている時や
一人で自然の中を散歩している時は
「自分」なのだろうか
新たな疑問も立ち上がった
人は一人では生きられないとよく聞くが
この言葉の意味は前述した内容と結びついているのかもしれない
現実世界の中にも物語的な構造がある私という存在はデザインされたものではない自分が現れるのは私が他者と相互作用している時や出来事に対応している時であるその時に「私になる」私はモノではなくて物語なのである
哲学や心理学でこれを「ナラティブ・アイデンティティ」と呼ぶ